初めての性交渉を持つ前に子宮頸がん予防ワクチンを接種することが重要

子宮頸がんの発症には、粘膜の接触によって感染するヒトパピローマウイルス(HPV)が関係していることがあきらかになっています。子宮頸がんはほかのがんと異なり、予防ワクチンを接種して抗体をつくりウイルス感染を防ぐことで、発症の7割を減らすことができます。

HPVワクチンは、海外120カ国以上、人数にすると1億人以上がその恩恵を受けています。日本でもようやく平成21年にワクチンが承認され、平成25年からは国が推奨する定期接種となりました。

現在、接種されているのはサーバリックス(グラクソ・スミスクライン)とガーダシル(MSD)の2つです。サーバリックスは発がんリスクの高い16型と18型のHPCの感染予防に効果があり、ガーダシルはこれらの2つに加えて、尖形コンジローマの原因となる6型、11型の予防効果も有しています。

発がん予防効果を得るためにはどちらのワクチンも3回の接種が必要で、研究では20年以上にわたり効果の持続期間があるとされています。検診受診率が高いイギリスやオーストラリアでは国家戦略としてワクチン接種が推奨されています。

12〜17歳の女子の約7割がワクチン接種をしているオーストラリアでは、21歳未満の尖形コンジローマが97%も減少したとその効果が報告されています。尖形コンジローマは感染から発症までの期間が短いのでワクチンの効果が直ぐにわかりますが、発症までの年数が長い子宮頸がんも数十年後にはかなりの減少が確認できると期待されています。

子宮頸がん予防ワクチンは、接種後の感染を防ぐものですので、セックスで感染する心配のない年齢(日本では中学1年生)が最も高い効果が期待できます。定期接種の対象となるのは、小学6年生から高校1年相当の女子で、接種費用は全額が公費負担となります。20歳代や30歳代でも、多くの場合で予防ワクチンの効果が期待できますので、自己負担となりますが、任意で接種するのもよいでしょう。

子宮頸がん予防ワクチンの接種後に注射した部分の痛みや晴れ、発熱などの副反応が起きることがありますが、通常は数日で治まります。まれに呼吸困難等のアナフィラキシー反応や、急性散在性脳脊髄炎などの重い症状が出ることがあります。原因不明の慢性的な痛みや手足の振るえなども報告されており、現在、原因や対策方法などの調査中となっています。

これらの症状に対する情報提供が十分とはいえないとして、厚生労働省は一時的な措置として、ワクチンの接種を積極的に推奨することは差し控えるように通達を出しています。しかし、ワクチンの有効性を考えると、接種を中止するほどの高いリスクはないとされ、定期接種からは除外されていません。

 

Copyright 2014 www.ntt-tokaihosp.jp All Right Reserved.